昨日のブログまでで、3回に分けてダイエット達成の瞬間までの自分の感情をお伝えしました。
今日は、その続きです。ついに最終回です。
ダイエットを見事達成した僕は、その日の夜、部下の青柳と浜勝に向かいました。
もちろん、ダイエット成功祝賀会です。半年ぶりに、白メシをかっ喰らいに、です。
浜勝に到着するやいなや、バラエティーかつ膳と生ビールを注文。
すぐにグラスの取手まで白く凍ったジョッキになみなみ注がれた生ビールが運ばれてきました。
青柳と軽く乾杯し、ジョッキに口をつけた瞬間。
うっ…!
半年間もの間、忘れかけていた感覚が、脳髄まで駆け巡りました。
「ぷはぁーっ!」という言葉とともにグラスをテーブルにドンと置いた時には、中ジョッキの中身はすでにありませんでした。
この時の感情を、カイジの言葉を借りて表すなら、
「キンキンに冷えてやがるっ!犯罪的だっ…!うますぎる…」です。
数分後、目の前にバラエティかつ膳がやってきました。
もちろん、ご飯の種類が選べる浜勝で、選んだのは麦飯ではなく、白メシ。
白銀のホカホカ絨毯です。
まずひと口目は、サラダを食べました。
いきなり白メシを食うのが怖かったからです。
そして、精神を静かに整え、この世にお米が存在していることに十分感謝をし、軽く深呼吸をしたあと、ゆっくりと箸でつかみ、「パクっ」…と、いきました。
その瞬間に何を感じたのか、実はよくわかりません。
あ、俺、今、半年ぶりに白メシ食ってるなぁ、やっぱりめっちゃ美味いなぁ、くらいだったような気がします。
そして、2口、3口と箸を口に運ぶたびに、この半年間に起こった色々なことが、走馬灯のように思い出されました。
・今まで何度もダイエットを失敗したあと、今回こそはと決意と覚悟を固めた半年前のこと。
・仕事の会食、妻の実家、旅行先での食事で、目の前で人が炭水化物を食べているのを見ながら、「あぁ、俺今超絶サムいやつやなぁ」と何度も思って情けない気持ちになっていたこと。
・心のこもったデザートの差し入れを頂いた時に、何度も何度も「ごめんなさい、本当にありがたいんですが、今食べられないので、スタッフがいただきます」と気まずい説明してきたこと。
・息子の虎之介に海苔巻きごはんを作っているとき、左手についたご飯粒を、「ひと口だけなら…」と、口に持っていきたくなって何度も我慢したこと。
・妻と気になる飲食店の話をしていて、「ここ行きたい」のあとに、必ず毎回、「あ、もちろん、ダイエットが終わったらねー」と言わせてしまっていたこと。
・後輩や部下と飲み会の席で、「樋口さんが食えるものも頼んどきましたんで」と言われた際に、「気を使われたら逆に俺が気を使うからやめてくれ」と言ったところで、まったく考えないでいるのも無理やろな…と思ってぐっと言葉を飲み込んでいたこと。
・後輩が実家のうどん屋を継ぎ、2代目として夫婦で店舗をリニューアルオープンした際、オープン日に挨拶に行ったのにも関わらず、肝心のうどんを食うことができず、出してもらったスイカをいただきながら俺は一体何しにきたんやろと思ったこと。
・飲み会の後、元祖長浜屋に出向き、みんながベタナマを頼んでそのあと替え玉を繰り返す間、焼酎を生(き)で飲み、全員が食べ終わったあとスープをひと口もらうと、あまりの美味さに全部飲み干してしまったこと。
・ダイエットのやり方を人に話したときに、「適度に炭水化物とったほうが逆に痩せやすいらしいよ」とか、「◯◯は炭水化物だけど、食べても太らないから大丈夫よ」といった、僕の為を思って混雑丁寧に真摯なアドバイスをいただいたのにも関わらず、頑なに「お言葉はありがたいのですが、一度決めたルールなんで食べないです」とつっぱね続けてきて、時には怪訝な顔をされたこと。
・妻に、「来月の家族旅行までに絶対終わらして、うまいもん食う」と豪語した僕に対して、「こないだも同じようなこと言いよったけど、結局無理やったやん笑」
とイジリ返されたことに対して、カチンときてしまい、
「これだけのペースで体重を落とせるやつをほとんど知らん。この頑張りを認めてくれんかったら無理。話題変えようや」
とイライラをぶつけてしまったあと「ごめん、ごめーん!」と謝る妻に対して、そもそも口に出した目標を達成できなかったという事実は事実なので妻は全く悪くないし、そもそも俺はずっと迷惑をかけて応援してきてくれた人に対して、何てことを言ってしまったのだろうと申し訳なさと共に自己嫌悪に陥ったこと。
そんな、色々な思い出が一気に脳裏に浮かんできて、目の前の青柳に、
「きょんちゃん、どう?」と聞かれた瞬間に、(ビールですでに酔ってたのもあり、)ドバっと感情が溢れてしまいました。
自分で公開するのもアレですが、その時の動画が青柳のFacebookに上げられましたので、のせときます。
酔っているとはいえ、これは酷い。でも、貴重な記録映像ということで。
そんなこんなで、その日は何度もおかわりをして、結局、4杯食いました。
それ以来、今まで半年間食べられなかったものを、少しずつ食べています。
本当は一気にドカ食いしたいのですが、前述の通り、太ることへの恐怖感がすごいので、微妙にメンタルブロックがかかっていて、セーブしてます。
でも、禁止していた食材を食べてる時は、もう、生まれてはじめて食う時のように全身で幸せを感じています。
白飯うまい。うどんうまい。ラーメンうまい。カレーうまい。皿うどんうまい。餃子うまい。ハンバーガーうまい。フライドポテトうまい。
チョコ、グミ、ポテチ、コーラ、ビール、梅酒、うまい。とにかくうまい。
ブッダは、苦行を重ねた結果、苦行に意味はないと悟ったそうですが、
僕は、このダイエット苦行により、日常のあたりまえのことがいかにあたりまえじゃないかという経験を得ることができ、飯が食べられることに対する感謝を再認識するキッカケになりました(ブッダに比べてショボすぎるとか言わんで)。
とにかく、やって良かったなと思っています。
でも、できればもう一生やりたくないです。
俺のダイエット、これにておわり。
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