僕は(自称)社会人なので、名刺を持っています。
また、ある程度グラフィックソフトが使えるので、人に頼まれて名刺を作ることがあります。
その際に必ず気をつけていることがあります。
それは、
「オモテ面(情報が書いてあるほうの面)のデザイン、サイズ、材質は、とにかく奇をてらわず普通にする」
…です。
僕は、クラウド名刺管理サービス「eight」を使っています。
eightに名刺を登録するとき、scansnapというスキャナを使います。
ここで、もし名刺の材質がこだわったものだった場合。例えば、普通の名刺より分厚かったとします。
そうすると、スキャナにうまく通すことができず、別の方法で取り込まなければなりません。
つまり、ひと作業増えてしまうわけです。
素材が透明である場合なんかも同様です。
微妙に話はズレますが、僕はプラスチック素材も使いません。
ペンで名刺に書き込む方は結構いると思うんですが、プラスチックの場合、書き込むことができないからです。
また、形が個性的なタイプの名刺もよくあります。
例えば、実業家の名刺なんかでよくあるのが、2つ折りや3つ折りになっているタイプです。
これも実はスキャンする際に、困ります。
ちなみに、僕が作るときは絶対に一般的な名刺サイズである「91×55mm」にします。
たまに、細長い名刺や、一回り小さいサイズの名刺もありますが、僕の場合はそれすら避けます。
一度、自分が色んな人からもらった名刺を触る時を想像してみてください。
重ねませんか??
そうです。名刺は、重ねて保管したり整理したりするものでふ。
その時に、サイズが違うものが混ざっていると、触っていて違和感を感じるんです。
そして、表面について。
eightというサービスは、名刺の画像データをクラウドに送信すると、
会社名、住所、電話番号など、もろもろのテキストデータを自動的にデータベース化してくれます。
しかし、サービスの仕様として、表面の情報しか収集しません。
ということは、たとえば、表面に名前だけしか書いておらず、
裏面に名前以外の会社名、住所、連絡先などの情報が書かれていたとします。
すると、eightが収集できるデータは、「名前だけ」ということになってしまいます。
これでは、あとあと会社名で文字検索しようとしても、その人の名刺データは出てこないということになります。機会損失の可能性があります。
まとめます。
そもそも名刺の役割とは、情報を正確に相手に伝えて、覚えてもらうことです。
その中で、データ化しにくいという時点で、それの目的が十分満たされないことになります。
人によっては、「この名刺、スキャンするのめんどいからもういいや」と、スキャンを諦められ、そのままデータ化されず、
しかしその人が見返すのはクラウドデータだけ…という状況になり、記憶の彼方へ消し去られてしまうかもしれません。
対して、僕のような完璧主義者は、なにがなんでも絶対にデータ化しないと気がすまないので、
iPhoneのカメラを使うなど、わざわざ他の方法でデータ化します。
そのときに…、申し訳ないですが、正直なところ「めんどくさい…」と思ってしまってます。
このように、名刺の「オモテ面、サイズ、材質」に関しては、絶対にスタンダードなフォーマットに沿ったものがいいです。
名刺にこだわるあまり、個性を詰め込んでフォーマットから大きく離れたものを作りたくなる気持ちも、もちろんわかります。
しかし、本当に相手の立場になってものごとを考えると、それがいかに自己中心的な考えであるかに気づきます。
ここまで踏まえると、一周して、普通の名刺であればあるほど、
もらった側の気遣いが行き届いている様子まで含めて、本質的な意味での「かっこいい名刺」だと思います。
ただまぁ…、一昔前までは、名刺一つに対してデータ化することまでみこしてデザインする必要もなかったわけです。
デザイナーも、柔軟に時代に合わせていかないといけないんで、大変ですね。
どの職業でもそうだと思いますけど。
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