奢る奢られミニコント問題

体育会系の部活を経験したのは、中学時代の野球部だけです。
ただ、大学のときは学生寮に住んでおり、
その後よしもとで芸人をやり、
さらに、弟子を雇っていたということもあり、
比較的上下関係がキッチリした世界で生きてきたと言えます。

体育会系の世界では、外食の際に、親しい後輩や弟子にお金を出させることはありえません。
もちろん、僕はいまだにそうしています。

後輩に飯を奢ることの是非については、一旦置いときまして(奢られるのが逆に嫌いな人もいるはずですので)、
以下、当たり前のように奢るものとして話を進めていきます。


さて、そこで困るのが、会計のときのお互いの立ち居振る舞いです。

飯を一緒に食べる頻度が少ない後輩に奢るときは、特に気になりません。
僕が伝票をもってレジに行き、財布を出して会計をしようとします。
そこで一歩後ろで後輩が財布を出そうとしたところで、
「ここは俺が」と提案します。
場合によっては、
「いやいや僕も出しますよ」
「大丈夫大丈夫」
と軽くラリーがあってからの、「先輩ありがとうございます」です。
普通のよくあるやりとりです。

さて、ここで問題になるのが、よく飯を食いにいく後輩です。

正直、毎回このラリーをやらないといけないのがしんどいのです。不毛です。時間の無駄です。
僕の性格を知っていたら、後輩ごときにお金を出させるわけないというのは理解しているはずです。
それなのに、財布を出して払うふりをするというのは、もう、タダの演技です。
「どちらかっつーとやっといて損はないから、念の為演技しとくか…」という程度の社交辞令です。もっとストレートに言うなら、”嘘”です。
「自分がお金を出すわけが無い」と解っていながら演技をするわけですから。
これが嫌で嫌でたまりません。僕に向かって嘘を吐いて欲しくないんです。
だから、僕は後輩に向かって、激しくこう言ってきました。
「金輪際お前に出させるわけないんやき、二度と俺の前で財布出すな。時間の無駄。面倒くさい。俺のことをお前に金を出させるような人間だと思っていることが逆に失礼。」
という感じです。


さて。
僕は、数年前までこれが最も効率的かつ正しいと思ってずっとこうしてきたわけですが、この話を友人にしたときに、以下のような内容のことを言われました。

その後輩にとって、先輩は樋口だけではない。いろんな先輩と飯にいく。
そのときに、ある先輩には財布を出さないと失礼にあたり、別の先輩には財布を出すと逆に怒られるというのを、先輩ごとに個別に覚えさせるのはかわいそう。
だから、どの先輩でも統一した行動をさせてやったほうが親切だ。

これを聞いた時、目から鱗が落ちました。
僕は、会計時のワンシーンに限った効率の良さについてしか考えが及んでおらず、
後輩目線になって、僕の性格を記憶しておかければならないという面倒さコストというものを思慮にいれてなかったわけです。
つまり、「俺のことを理解した上で俺と付き合えよ」という、ワガママで自己中心的で自意識過剰な押しつけをしてきていたのです。

上の方で、『「自分がお金を出すわけが無い」と解っていながら演技をするわけですから。』などとエラそうなことを書きましたが、
「自分がお金を出すわけが無い」のかどうか、解っていない場合が多々あるということです。
たった一回や二回伝えただけで、僕の性格を理解してもらっているはずだというその浅はかな考えが、おこがましいのです。


そんなこんなで、今は、
「金輪際お前に出させんき、二度と俺の前で財布出すな。面倒くさい。」
…と言いたい気持ちをぐっと抑え、
もし後輩が財布を出しかけたとしても、イラつかずに優しく根気よく、
「いや、今回は俺が」と伝え続けていくしかないと思ってます。

僕にとっては非効率的極まりなく、面白くもなんともなく、ただただ面倒でしかないミニコントですが、付き合ってやるしかないですね。

自分、後輩思いなんで。

奢る奢られミニコント問題” への2件のフィードバック

  1. 後輩の立場からだと、いくら先輩でも毎回奢ってもらうのも心が痛いとゆうか、悪いなぁとゆう気持ちがあり、今回は自分が出したいと本気で思って財布を出してる方もいるのだと思います。
    でも頻繁に食事にいく仲だと確かに胡散臭くなってしまうし、面倒ですね。
    個人的には、先輩が奢ってくれる、その後コンビニ等他のお店でちょっとしたものは後輩が出す(デザートとかコーヒーとか)とゆう風に決めておけば、無駄なやり取りもせず、後輩の気持ち的にも気兼ねなく奢ってもらえるかなと思うのですがどうでしょうか?
    先輩の立場として、後輩には1円たりとも出させたくないとゆう方には難しいですが(^_^;)
    人間関係難しいですね!

    1. コメントありがとうございます!
      まさに、そこが少し悩みどころではあります。
      本文中に書いてある、「後輩に飯を奢ることの是非については、一旦置いときまして(奢られるのが逆に嫌いな人もいるはずですので)」の部分についてですね。
      学生の頃であればまだ小さいコミュニティーの中でルール化されており、成立していたと思いますが、社会に出ると、後輩もそこそこの立場になっていることが多く、悩ましいです。

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