10年の重み

吉本で芸人をやっていたころの同期の「ニューヨーク」というコンビが、
M-1グランプリの決勝戦に初出場することが決定しました。

彼らは、まだお笑い歴0年目、つまりまだプロとして世に出ていない、お笑い養成所時代から、
ずっと面白いコンビでした。
漫才、コント、トーク、コーナー、すべてのジャンルを抜群のクオリティーでこなすコンビでした。

しかし彼らは、わかりやすいキャラがないということで悩んでいました。
見た目にそんなに特徴があるわけではありません。
彼らの特徴は、ただただ面白いということだけでした。
「ニューヨークは、すぐには売れないだろうけど、地道に続けていたら必ずいつか売れる」
…と、よしもとの若手全員が思っていたと思いますし、
実際、そう言われていました。

それから10年もの間、彼らがテレビに出る機会はちょくちょくあったものの、
爆発的に売れることもなく、賞レースで大きく評価されることもありませんでした。

そして、10年目。
やっとのことで、彼らがずっと目指していた、M-1グランプリの決勝の舞台に立つことが許されました。

やっぱり、現実の世界では、
愚直にひたすらストロングスタイルで戦ってきた人間が、ちゃんと報われて結果を出すというパターンが、
結局シンプルに一番ゾクゾクきますね。

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