子供との日常

何度か本ブログで書いていますが、僕には1歳2ヶ月になる息子、虎之介がいます。
しかし、僕と妻の仕事の都合上、僕は田川市内、妻と息子は福岡市内と、少し離れた場所で生活していて、毎日会うことはできません。

しかし今日は、妻がどうしても仕事で夜帰るのが遅くなるということで、息子の保育園へのお迎えから僕が引き継ぐことにしました。


18時前に保育園にお迎えに行き、帰宅したあとは、
昼間のうちに作っておいた豆腐ハンバーグ(食材とレシピは妻が用意済み)を食べさせる用意です。
冷凍ご飯や、おかずを電子レンジにかけたりしていると、
虎之介は今からご飯の時間が始まるということ敏感に察知し、自分がいつも座っている食卓用の椅子を部屋の奥から引きずってきて、用意し始めました。

「食事と食卓用の椅子の関連性が認識できるようになったんやなぁ…しみじみ」
などと思いながら、食事開始。
いままでは、虎之介の食事は常に妻が用意していました。
対して今日は、初めて僕が作った料理を虎之介が食べるという、僕にとって挑戦の日でした。

ドキドキしながら、母ちゃん直伝、父ちゃん作の豆腐ハンバーグを小皿によそうと、ものすごい勢いで、美味しそうに食べ始めました。
虎之介、上機嫌。
それを見た俺、上機嫌。


そして、風呂の準備です。
お湯を溜めながら、台所で洗い物を始めると、相手がおらず暇になったのか、台所の戸棚を開けて漁りだしました。
「虎之介!洗い物が終わるまでちょっとまっちょけ!」などとと言っても聞きません。
戸棚からなんなのかよくわからないゴムでできた物体を取り出して、それを右耳に当て、電話をかけるふりをはじめました。

そして、洗い物が終わった頃にちょうど風呂が湧きました。
虎之介は、最近風呂が嫌いです。
服を脱がせようとすると暴れます。
やっとの事で、オムツ一枚までぬがせ、オムツに手をかけた瞬間に、ツーンと鼻に付く匂いが。
まさかと思ってオムツをめくると、お尻にほんわかしたものがありました。

まず自分が全裸になり、すぐに風呂に向かう準備をしてから、虎之介のオムツを脱がせ、濡れティッシュでお尻をふきとると、全裸の二人はそのまま風呂へ。
僕が頭と顔を洗う間、虎之介はまた暇です。
頭を流している少しの間、目をつぶってあけると、シャンプーの容器をシュコシュコと押し、シャンプーを無駄使いしていました。
虎之介の体を洗うと、湯船へ。
最近、湯船が嫌いでたまらないようです。暑いからなのか、水が怖いのか。
手足を思い切りバタバタさせながら仰け反り、ものすごい声量で泣き喚きます。
もしかすると、ご近所からは幼児虐待だと思われているかもしれません。

風呂から上がり、服を着せると、またものすごい剣幕で泣きはじめました。
何かを伝えたいようですが、わかりません。抱っこをしてもだめ、録画しているEテレの番組を見せても、おもちゃを与えてもダメ。
そこでふと気づきました。普段は、お風呂からあがると、かならずおっぱいを飲んでいるのだと。
今日は妻がいないので、おっぱいの代わりにとコップに水を入れて、
「ほれ、お母さん。」と言って渡してやると、嬉しそうにごくごく飲み始めました。


その後、歯磨きをすませ、寝かせようとするも、全く寝ようとしません。
それどころか、しきりに何かを伝えようとしている様子でした。
虎之介の表情や泣き方を見ていると、
「なんで分かってくれんの?早く気づいてよ!ねえ!なんで!?」
と言っているような気がします。
動きをじっと観察していると、どうやら、洗濯機を指さしています。
ひょいと体を持ち上げてやり、洗濯機の中を覗かせてやると、さっきまで自分が履いていたズボンを指さしています。
「これ?」と僕が手に取ると、虎之介は僕の手からズボンを奪い、さらにそれを僕に渡そうとしてきました。
意味がわからず、受け取ったズボンを洗濯機にいれると、また泣き出します。
僕は意味がわからず、それでも泣き叫ぶので、付き合ってやる意外に選択肢がなく、
その洗濯機のくだりを延々繰り返して、ときには壁に頭から突っ込んで思いっきり頭を打ったりしたのち、
たまりかねたのか、玄関にズダダダダ…とすごい速さで走っていき、自分の靴を指さしたのです。
そこで、やっと意味がわかりました。

さっきまで来ていた外出用の服をきて、靴を履いて外にでたい!というアピールだったのです。

しかし、今までこんなことはありませんでした。
不思議に思いながら、外出用の服に着替えさせ、マンションの外に出ました。
外に出て歩きだすと、交差点のたびに「あっ、あっ、」と方向を指差します。
どうやら、行きたい方向と行きたくない方向があるみたいです。
虎之介が行きたい方に行ってやろうと、こっち?あっち?と、ずっと歩いていきました。
道すがら、一軒家からおばあちゃんが出てきて、ごみ捨て場にゴミを出していました。
自転車のおじさんとすれ違いました。
タイ人のカップルらしき若者男女とすれ違いました。
そうやって5分ほど歩いたところで…おそらく、泣きつかれていたのでしょう。
目がトロンとしてきたので、家に連れて帰って布団に寝かせました。

虎之介が完全に寝付くまでのあいだ、ぼーっとみながら、
「あぁ、もしかしたら、虎之介はなにか見えない力から動かされて、俺を外に連れて行ったのかもしれないな。
俺と虎之介があの時間、あの道を通ってなかったら、 もしかしたらあのゴミ出しにばあちゃんが家をでた一瞬の隙に、自転車のおじさんが空き巣にはいっていたかもしれない。
もしかしたら、タイ人の若い男女は、俺が抱える虎之介を見て、『見てよ、あの赤ちゃん、可愛いわね。私達も、一緒になって子供をつくらない?』と、プロポーズのキッカケにしたかもしれない。
虎之介は、大いなる力に導かれ、俺が全く気づかないところで、人を救ったり、幸せにしていたのかもしれないな…。あっぱれ、虎之介。」
などと妄想していました。


以上、僕と虎之介のある半日でした。
ご覧のとおり、たいしたことは起こっておらず、客観的にみるとまったくもって面白くもなんともない日常です。
でも、僕からすると、楽しくてたまりませんでした。
この年になると、辛いこと、面倒なこと、結構な規模でヤバいこと、いろんな事が僕の身にも、僕の周りの身にも起こってきます。
そんな過酷な日常と、今日の虎之介と過ごした穏やかな一日が、「僕」という、ひとつなぎの人間に連続して流れる時間の中で起こっていることが、とても不思議です。

虎之介が絵本の犬をみて「わんわん!」と言ったときのたまらなく嬉しい感情と、
仕事で大規模のトラブルが起きて「あ…終わった…」というときの身が引き裂かれるような感情。
どちらも、僕という同じ人間が、同じ心で感じているはずなのです。
僕は、どちらの世界にも同時にいるわけです。しかし、まるでその2つが起こっている世界が違います。

そう考えると、自分から見える世界は、所詮自分が作りだしたものにすぎないのだから、
どうせなら作りたい世界を作ってやろうやんか知るか。
…と、思えてきました。

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