灯火をつなげる

周囲の子育て話をきいていると、「小学校の課題で昆虫の観察をするので、土日で虫を捕まえてきてください」といった宿題を出されることもあるそうです。

また、息子の虎之介が通っている保育園では、一年に一回くらいは、「エプロンや布巾やミトンを手作りで作ってきてください」といった連絡がきます。

普通の感覚で考えると、どちらも結構しんどいです。

「虫を捕まえてくる」なんてのは、下手したらほぼ半日レベルで時間を奪われますし、ミシンや裁縫なんかに至っては、買ったほうが絶対早いし質も高いわけです。

それでもそういった宿題が出されるという意味とは。
これはおそらく、「親への教育」でしょう。

こういった課題が出されないと、もしかしたら一生子供と虫を捕まえに公園に行かない家庭もあるかもしれませんし、ミシンを一切使わないかもしれません。
そうなると、その子供ももちろん、さらにその子供と一緒に昆虫採集やミシンを使わない可能性が高いです。

あえてこういう負担を親に与えることによって、子育てに対する意識を向けさせ、失われていきつつある文化や風習をつなぎとめる役割があるのでは、と。

もちろん、これらの技術は、社会がより適材適所に最適化され、人間それぞれが自分のやるべきことだけに集中することが正とされる社会になっていけばいくほど、普通の暮らしの中には必要とされなくなってくるでしょう。
その中で、日本人の誰かがしっかりと受け継いでいくことができれば、ロストテクノロジーになりません。

そうやって、灯火をつなげていき、すべての文化や技術の絶滅を免れることは、多様化が進んでいく社会だからこそ、とても重要なのではないでしょうか。


このブログも、最初からいつ辞めてもいいと思いながら、最近ではかなりの頻度で毎日更新が途切れながらも、
灯火のようにつなげていくこと自体に、何かの価値があるんじゃないかと思っています。

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