いつぞやより、物欲というものがほとんどなくなりました。
お金で買える欲しい物はだいたい手に入れてしまい、物欲を満たすことよりも、体験や知識に興味がわくようになりました。
いや、「物欲がなくなった」という言い方は正確ではないですね。
正確には、「物欲の先に幸福がないということに気づいてしまったので、物欲を満たすことが虚しくなってしまった」という感覚のほうが近いです。
さらに、モノを所有すればするほど、背負うものが多くなります。
家の収納スペースが埋まって部屋は狭くなりますし、
捨てるなら捨てるで、いちいちそのたびに捨てる覚悟をする必要が生じます。
そのわりには、人生を振り返ると、本当に所有したほうがいいものなど、ほどんどないと思います。
そんなこんなで、物欲なんてものは無ければ無いほどいいと思ってまして、
物欲に打ち勝つことに快感を感じます。
しかし、またふと気づきました。
物欲に打ち勝つという感覚に快感を感じている状態というのが、それはそれで一種の「欲」であることには変わりないんですよね。
欲を満たしたいという気持ち。
これに果たして意味はあるのでしょうか。それとも、それについて考えること事態がとるに足らないことなのでしょうか。