プロフェッショナルになるための方法

音楽制作を生業にするために、
つまり、音楽の「プロフェッショナル」になるために上京したのは2007年のことです。


上京したての頃は、技術も経験も機材も半人前以下なのに、なぜか根拠のない自信だけがありました。
どんな曲でも作れるし、この地球上の全てのクライアントにとって、俺が曲を作ることが最も正しい、と思ってました。
バカですね。

そしてはじまった東京での生活。
もちろん、最初からお仕事をいただけるわけでもなく、時間は余るほどあるのに金と仕事がないという、とてつもなくつらい時期でした。
とにかく僕は、「早くプロになりたい」…と思っていました。


そんな中、大学の同級生であるT君と話す機会がありました。
T君は、僕より一足先に上京し、フリーランスの放送作家として生計を立てていました。

僕がT君に対して、
「どうやったらプロの音楽家になれるんやか?」
と訪ねたところ、T君から、
「そんなの、自分の名前と肩書を書いた名刺を作って人に渡したら、その時点でプロでしょ」
と返ってきました。

この答えを聞いて、当時は「そりゃそうやけど笑」と笑いました。
「そういう、トンチみたいな話をしてるんじゃないんよ笑」
と。

しかし、今になって思います。
これこそが真髄だ、と。


何かを成し遂げるには、色んな条件が必要です。
能力、努力、人脈、運、資本金、人間力、健康な心身、その他諸々エトセトラエトセトラ。

そして、それら全てを支えたり、呼び寄せたりするものは、最終的には、「覚悟」だと思います。

その上で、
名刺に肩書をいれるということは、その「覚悟」の決意表明です。
「私は、自分の名前と肩書を背負い、責任をもってプロの仕事をし、その対価としてお金を頂戴いたします。」
という決意表明です。


例えば、あなたが何かを誰かに依頼したいとします。
じゃあ…たとえば、イベントの告知のためのチラシデザインを発注したいとします。
予算は5万円だとします。
依頼先のデザイナーとして、AさんとBさんの二人が候補にあがりました。
その二人は、実力や報酬はほぼ同じ。どちらにお願いしても、質的には問題ありません。

Aさんは言いました。
「プロとしてやっているわけじゃなく、他の仕事のかたわら趣味の延長でやってるだけですので、
お金をもらうのは申し訳ないですが…いただけるのであればありがたく頂戴いたします。」

Bさんは言いました。
「僕は、プロのデザイナーです。まだこれだけで飯を食えてはいませんが、れっきとしたプロです。
今回ご依頼いただけましたら、今までの仕事のなかで、一番いい仕事をします。
そのかわり、ギャラは5万円です。これ以下だとちょっと受けられません。その代わり必ず報酬額ぶんか、それ以上の質の仕事をします。」

そもそも、Aさん、Bさん、どちらに頼んでも5万円を支払うつもりでいました。
そうなった場合、どちらに依頼したいでしょうか。

僕ならBさんに依頼します。
なんなら、その道で必死で食っていこうとしているのを応援したいという気持ちも湧いてきますので、
今後、デザイナーを探している人に出会うたびに、Bさんを紹介していくとおもいます。


まとめます。
タイトルに書いた、「プロフェッショナルになるための方法」は、たった一つの簡単なものです。
「自分はプロフェッショナルだ」と表明することです。
最初のワンステップは、「自称プロ」でいいと思います。

もし、本記事を読んでいる中に「プロを目指している方」がいらっしゃるとすれば、
プロを目指すのはもうやめて、今この瞬間からプロになってみてはいかがでしょうか。

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